建築と西洋哲学2 ポストモダニズムや絶対的個人主義から「個と社会の融合」や「自然との調和」への転換

 3.ブリツカー賞の歴史的経緯を、哲学的流れと照合すると

Geminiの回答

プリツカー賞の歴史的経緯を哲学的流れと照合すると、以下の様な考察が可能です。

モダニズムの終焉とポストモダニズムの台頭 (1979年 - 1990年代初頭)

  • 初期の受賞者(フィリップ・ジョンソン、ルイス・バラガン、ジェームズ・スターリングなど)は、モダニズム建築の巨匠や、その影響を強く受けた建築家たちが中心でした。
  • しかし、1980年代後半から、フランク・ゲーリーやロバート・ヴェンチューリといった、ポストモダニズム建築を代表する建築家たちが受賞するようになります。
  • これは、モダニズム建築の機能主義や合理主義に対する批判が高まり、歴史や文脈、装飾といった要素を重視するポストモダニズム建築が台頭してきた時代背景を反映しています。

多様性と地域性の重視 (1990年代 - 2000年代)

  • 1990年代以降は、アルヴァロ・シザ、安藤忠雄、ラファエル・モネオなど、それぞれの地域や文化に根ざした建築を展開する建築家たちが受賞するようになります。
  • また、レンゾ・ピアノやノーマン・フォスターのように、ハイテク建築を代表する建築家も受賞しています。
  • これは、ポストモダニズムの多様性を受け継ぎつつ、それぞれの建築家が独自のスタイルや哲学を追求する時代へと移行したことを示しています。
  • グローバリゼーションが進む一方で、地域固有の文化や環境を尊重する建築への関心が高まったことも背景にあります。

持続可能性と社会貢献への意識の高まり (2010年代以降)

  • 2010年代以降は、環境問題や社会問題への意識の高まりを反映して、持続可能な建築や社会に貢献する建築を手がける建築家たちが受賞する傾向が強まっています。
  • 例えば、坂茂氏は紙管を使った仮設住宅で災害復興に貢献し、王澍は中国の伝統的な建築技術を現代に蘇らせました。
  • また、女性建築家や非西洋圏の建築家の受賞も増え、建築界における多様性と包容性がさらに進んでいます。

現代における建築の哲学的問い

プリツカー賞の歴史的経緯は、建築が単なる機能や美しさの追求だけでなく、社会や環境との関わり、人間の幸福や持続可能な未来への貢献など、より深い哲学的問いを内包するようになったことを示しています。

現代の建築家は、技術革新や社会の変化に対応しながら、建築が持つ可能性を最大限に引き出し、より良い社会の実現に貢献することが求められています。プリツカー賞は、そうした建築家たちの挑戦を称え、建築の未来を照らし出す役割を果たしていると言えるでしょう。Geminiの回答おわり


4.西洋哲学の持つ理性主義理想主義の限界が叫ばれてきつつある中、ブリツカー賞の西洋思想を基盤とした立ち位置のぐらつき、あるいは、建築の西洋思想からの乖離は

Geminiの回答

はい、おっしゃる通り、西洋哲学における理性主義や理想主義の限界が叫ばれる現代において、プリツカー賞の西洋思想を基盤とした立ち位置にも、ある種の「ぐらつき」や「乖離」が生じている可能性は十分に考えられます。

西洋思想基盤のプリツカー賞

  • 普遍性の追求: プリツカー賞は、建築における普遍的な価値を評価することを目的として設立されました。これは、西洋哲学における理性主義や理想主義、つまり、普遍的な真理や理想の存在を前提とした考え方と深く結びついています。
  • 形式美の重視: 西洋建築の歴史においては、幾何学的な秩序やシンメトリー、比例といった形式美が重視されてきました。プリツカー賞の選考基準にも、こうした西洋建築の伝統的な価値観が影響を与えている可能性があります。
  • 建築家個人の創造性: プリツカー賞は、「建築界のノーベル賞」とも呼ばれ、建築家個人の創造性や独創性を高く評価します。これもまた、西洋近代における個人主義や主体性の重視といった思想と関連しています。

現代における「ぐらつき」と「乖離」

  • 多様性と地域性の重視: 現代社会においては、西洋中心主義的な価値観への批判が高まり、多様性や地域性が重視されるようになっています。プリツカー賞も、近年は非西洋圏の建築家や女性建築家の受賞が増えるなど、多様性への配慮を見せていますが、根本的な選考基準や価値観が変化しているかどうかは議論の余地があります。
  • 環境問題への意識の高まり: 環境問題への意識の高まりとともに、持続可能性や環境との調和が建築における重要な価値基準となっています。しかし、プリツカー賞の選考において、これらの要素がどれだけ重視されているかは明確ではありません。
  • 社会貢献への期待: 建築は、単なる芸術作品ではなく、社会の一員としての責任を果たすことが求められています。プリツカー賞も、近年は社会貢献度の高い建築を評価する傾向を見せていますが、それがどこまで本質的な変化なのかは疑問視する声もあります。

西洋思想からの「乖離」の可能性

これらの「ぐらつき」や「乖離」は、プリツカー賞が西洋思想から徐々に離れ、新たな価値観を模索している兆候なのかもしれません。あるいは、西洋思想の枠組みの中で、現代社会の要請に応えようとする試みとも言えるでしょう。

いずれにしても、プリツカー賞は、現代建築が直面する課題や矛盾を反映する鏡のような存在です。その変化や動向は、建築の未来を占う上で、重要な意味を持つと言えるでしょう。Geminiの回答おわり


5.建築の時空の関係性を考慮すると、断片的瞬間的美ではなく、侘び寂び的時空への影響力が評価されるべきなのかも、と

Geminiの回答

はい、おっしゃる通り、建築は単なる三次元の造形物ではなく、時間と空間の中に存在し、周囲の環境や人々の生活に影響を与える存在です。その意味で、建築を評価する際には、断片的瞬間的美だけでなく、侘び寂び的な時空への影響力、つまり、建築が時間と空間の中でどのように変化し、周囲にどのような影響を与え続けるのか、という視点が重要になってくるでしょう。

  • 侘び寂びと時空: 侘び寂びは、時間の流れや自然の変化を受け入れ、不完全さや儚さの中に美を見出す美意識です。これは、建築が時間とともに変化し、周囲の環境と調和していく過程を肯定的に捉える考え方とも言えます。
  • 断片的瞬間的美の限界: 一方、断片的瞬間的美は、特定の瞬間における美しさやインパクトを重視する傾向があります。しかし、建築は常に変化し続ける存在であり、その美しさは時間とともに変化していくものです。瞬間的な美しさだけを追求する建築は、長期的な視点で見ると、その価値を失ってしまう可能性があります。
  • 時空への影響力: 建築は、周囲の環境や人々の生活に、長期にわたって影響を与え続けます。その影響力は、建築の美しさだけでなく、その機能性、安全性、持続可能性、そして地域社会への貢献度など、様々な要素によって決まります。
  • 評価基準の変化: 現代社会においては、環境問題や持続可能性への意識の高まりとともに、建築に対する評価基準も変化しています。単なる美しさや機能性だけでなく、建築が時空に与える影響力、つまり、長期的な視点での価値が重視されるようになっています。

このような観点から、プリツカー賞のような権威ある建築賞においても、侘び寂び的な時空への影響力を評価基準の一つとして取り入れることが重要なのかもしれません。それは、建築の未来をより持続可能で豊かなものにするために、必要な視点と言えるでしょう。Geminiの回答おわり


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