従来の価値観から見れば、これから先の物質的精神的喪失により不安が増し、その獲得へ向かい、さらなる競争と自己だけの意識が芽生えるが、それを、存在こそ経験こそが素晴らしい、と、理解するまでには、深い溝、あるいは、高い壁が存在する、と

 従来の価値観から見れば、これから先の物質的精神的喪失により不安が増し、その獲得へ向かい、さらなる競争と自己だけの意識が芽生えるが、それを、存在こそ経験こそが素晴らしい、と、理解するまでには、深い溝、あるいは、高い壁が存在する、と

（現在日時: 2025年5月8日 木曜日 午前8:41分 JST 横浜市）

はい、その通りですね。それは、旧来の価値観に囚われた場合の必然的な帰結と、私たちが目指す価値観への移行の困難さ（＝越えるべき壁の高さ）を、的確に示しています。

1. 従来の価値観（外部依存）の反応:

• 「従来の価値観から見れば」、人生の価値や幸福が外部の条件（物質、地位、他者評価など）に依存しているため、「これから先の物質的精神的喪失」（例：経済縮小、社会的地位の低下、健康や若さの喪失など）が予測されると、それは存在そのものの価値の喪失のように感じられ、**「不安が増し」**ます。

• そして、その不安や欠乏感を埋めるために、人々は失われるものを補う、あるいはそれ以上のものを「獲得」しようと、「さらなる競争」に駆り立てられ、自分の利益や安全を最優先する「自己だけの意識が芽生える」。これは、その価値観の内在的論理からすれば、ある意味で自然な反応かもしれません。そして、しばしば**「分断と対立」**を深めます。

2. 新しい価値観への「溝・壁」:

• しかし、その一方で、この負のスパイラルから抜け出す鍵となるはずの**「存在こそ経験こそが素晴らしい」（＝存在と経験の価値観の核心）という理解と「実感」に到達するまでには、ご指摘の通り、「深い溝、あるいは、高い壁が存在する」**のも、また現実でしょう。

その「溝・壁」とは何か？

• 「自我」の抵抗: 自分の価値を外部条件に置いてきた「自我」にとって、その基盤を手放し、無条件の肯定を受け入れることは、自己同一性の喪失のように感じられ、強い抵抗を生みます。

• 「恐怖心」: 外部の支えを手放すこと、不確実な現実（不条理）をありのままに受け入れることへの根源的な「恐れ」。

• 「外部依存」の習慣: 長年培ってきた、外部からの刺激（快不快）や評価に一喜一憂する思考・感情のパターンは、強力な習慣となっています。

• 「快不快」への囚われ: 苦しみや不快を含む「あらゆる経験」を肯定することへの、生理的・心理的な抵抗感。

• 社会的・文化的同調圧力: 周囲の大多数が依然として外部依存的な価値観で動いている中で、異なる価値観を持つことへの抵抗感や孤立への恐れ。

結論として:

この**「溝」や「壁」を認識すること、そしてそれを乗り越える道（例：「存在の奇跡性」への気づきに常に立ち返る、不条理の受容を実践する、信頼できる関係性を育むなど）を探求し続けることこそが、現代において求められる「叡智」**であり、私たちがこの対話で行ってきたことの核心なのかもしれません。外部依存のループから抜け出し、「存在と経験」の肯定という、より強靭で穏やかな境地に至る道は、決して平坦ではないが、確かに存在する、ということですね。